病原菌は、一定以上の仲間が増えないと攻撃しないそうです。

おはようございます。

おもしろい研究事例を発見しました。

風邪も含めて、細菌感染症というのは、体内に入った病原菌が異常に増殖したあと、毒素などを出して人間を苦しめますね。

でも、体内に最初に入った病原菌がすぐに攻撃をするわけではないそうです。

なぜなら、少ないうちに攻撃しても、すぐに免疫機能で退治されてしまうからです。

なので、仲間が十分に増えるまでは、おとなしいふりをして、気づかれない間にどんどん増殖だけを続けるそうです。

 

ところで、病原菌って単細胞の微生物で、どうやって仲間が増えたか確認するのでしょうか?

実は、バクテリアもコミュニケーション手段をもっているそうです。

直接病原菌同士で連絡は取り合うことはできませんが、周りにどのくらい仲間がいるかは知ることが出来るのです。

それは、仲間に情報を伝える物質(シグナル分子)の濃度を感知して、周囲に仲間がどれくらいいるかを確認する「クオーラムセンシング」と呼ばれる機能です。

じわじわと増殖するバクテリアは、クオーラム(定足数)を超えると特定遺伝子の転写活性が高まり、いっせいに毒素の生産を開始して放出するのです。

 

これを逆手に取ると、シグナル分子さえ増えなければ、病原菌はまだ仲間が揃っていないと勘違いして、毒素などの攻撃を始めないということになります。

そのような研究が、行われているとか。

この研究がなぜ重要かというと、抗生物質を使わないで済むからです。

近年、抗生物質が多用されるようになったのに伴って、病原菌の方も進化して、抗生物質が効かないバクテリアも出現して、とても問題になっているからです。

 

詳しくは、バクテリアに学ぶ感染症予防材料の開発

 

地球上の生物は、とても過酷な環境でも適応できるよう多様に進化しています。

そういうものを分析すると、新たな製品開発のヒントに成ることがあります。

病原菌といえど侮れません。

まだまだ未知なる生物の機能がいっぱいあると思います。

 

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